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청춘을 돌려다오(青春よ還れ)

 作詞:崔治淙 / 作曲:申世永

≪市販DVDバージョン≫
薄暗い楽団席の最前部で、待機中のギター奏者が、疲れたのか、眼をこする姿が、薄暗い画面で確認できるなど、約6分間にわたる、長い長い羅勲児の、当コンサートの総括スピーチが終わり、やっと始まった感のある本曲、
その6分間は、最後の盛上げのための演出かと思っていたが、本コンサート中に、どうしても、言いたいこと、伝えたい事があったようだ。それは、
「今の自分達は過去の諸先輩の努力のおかげで存在する」、
「光復記念日は無用の休日」、
「他国に自国を牛耳られる前に、そもそもやるべきことがあったのではないか」、
「これからは、そうはならないように、この国の若者が中心となって、守っていく」
なのだろう。
まったくの正論で、ユーモアを交えて話しているので、場内には、さほどの緊張感はみられないのも、羅勲児のもつ特性のひとつだと思う。
大胆なことを言っても、上手く、和らげる方法を知っているのだろう。
このコンサート前に、多くの自国の歴史書を読んだと言っていた。
その過程で、「韓国人であるという自尊心が傷つけられた」、とも語っていた。
その思いをぶつけた6分間だった。

さて、ここから楽団、バックボーカルも登場し、総仕上げの段階に入る。
民俗楽器奏者も含めての分厚い演奏が、クライマックスの、2度目の「아리수」まで続けられることになる。

羅勲児を含め、楽団員にも疲れの表情が、時折見受けられる。それだけ全力投球だったのだろう。

本コンサートは、費やされたエネルギー、パワーとも、他に例を見ないほど圧倒的で、2度と再現できないであろう、特別なコンサートの感がしてならない。

(曲そのものについて)
羅勲児のレパートリーには、いかなる雰囲気の中でも、いったん、その曲が始まれば、すぐさま、場をパッと明るく、そしてなごやかに変える曲がある。この曲はその代表曲だ。
他にも、「울긴 왜 울어」がある。
この2曲に共通しているのは、共感する歌詞、覚えやすいメロディ、乗りやすいアップテンポのリズム、そして聴かせどころのサビがある、という要素だ。
カラオケで思いっきり歌えばすっきりするだろうな、というストレス解消にもつながりそうな曲で、コンサートの終わり部分には、もってこいで、なくてはならない存在だ。

(参考直訳)
・・・・・
青春を返してくれ 若さを返してくれ 時が過ぎていく 自分の人生への 哀願なんだよ
まだ終わらない愛も 山積みなのに 来ては去っていく歳月を
止める術は ないのだろうか 青春よ 自分の青春よ どこを行くのか

青春を返してくれ 若さを返してくれ 時が過ぎていく 自分の人生への 哀願なんだよ
過ぎて行った昔が 昨日のようで 来ては去っていく歳月を
止める術は ないのだろうか 青春よ 自分の青春よ どこを行くのか
・・・・・
(2016年5月18日:美辞麗句)

≪テレビバージョン≫
ライブの締めによく使われる、盛り上がり間違いなしの曲で、羅勲児節を余すところなく十二分に楽しめる。

「青春を返してよ」という内容の歌だが、曲の始まり部分の効果音と羅勲児のリアクションが面白い。

今回は、特に強調した演奏、演技となっている。
聴く人の心の奥深いところに直接訴えかける羅勲児の歌声は天性のものなのか、いったん受け入れるともう離れていかない。
それほど強い、歌心の持ち主はそうは現れない。稀有の存在といえる。

途中、ステージの大画面に、客席に座る当時の韓国大統領とその取り巻きの姿が。
このあたりの観客は政府関係の人ばかりなのか、背広やスーツ姿の男性女性ばかり。
この人たちの面前で「光復記念日は無用の休日」とかはっきりと言っていたがいいんだろうか、とふと思った。

曲は羅勲児の床を叩いて強調する「青春を返してよ」と、楽団と合わせての飛び上がり・着地のエンディング。
ここまで、ほとんど出ずっぱりの羅勲児。並みの体力ではない。

曲後、「나훈아、나훈아」の大合唱が湧き上がる。
(2015年9月27日:美辞麗句)

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