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너와 나의 고향(僕らの故郷)

 作詞:鄭振成 / 作曲:鄭振成

≪市販DVDバージョン≫

若かりし頃のスライドが映し出される中、元気一杯のブラスセクションの演奏のイントロで始まるこの曲、羅勲児とボーカル陣の軽やかなダンスステップと手の捌きが爽やかだ。

間を置かずに演奏される5曲のトップを飾るのは、本コンサート、3曲目の「고향노래」である。
2002年のライブコンサート、「歌客 羅勲児」以来の登場だ。
この時は、リズムセクションに難が有ってどうも乗りが悪かった。不必要な強いリズムがなんともギクシャクしていて、羅勲児の表情にも少しだが、失敗かな、という表情が見え隠れしていた。変に小細工をしている印象だった。
だが、今回はそれらの難を補って余りある演奏で、ちゃんと「正解」を出している。
羅勲児やバックボーカル陣、会場全体の乗りのよさに顕著に現れている。

曲のほうに目を向ければ、「これからは君と故郷で暮らしていく」、という強い決意を述べている曲で、その若さあふれる純粋な気持ちがよく伝わってくる。
歌詞の中で、 「바람따라 구름따라」(風には従い 雲には寄り添い)の部分は、語呂が良いので観客も大乗である。
全体的に腕白なイメージのある、軽快なアレンジが施されており、盛上げに一役買っている。

さて、ここでどうしても触れておきたいのは、このコンサートにおけるカメラワークの良さだ。
多くのテレビカメラがさまざまな角度から、舞台全体はもちろんのこと、観客の様子まで、仔細に捉えている。
このおかげで、テレビ画面から、あたかもコンサート会場にいるような、あるいはそれ以上の臨場感が得られる。
より自然な観客の様子を捉えたい時、一番困るのは、カメラの視線に気づかれることで、カメラを覗き込まれると、これは最悪である。気づかれずに、そのコンサート場面にベストマッチする、ファンの姿や表情を探すのがカメラマンの腕の見せ所だが、このライブコンサートでは、「よくぞ捉えた」、という部分が少なくとも、数箇所はある。
その一場面が、この曲の最中に映し出されている。
比較的、周りが暗い場所なので、気づかれずに映せたのだろう。

羅勲児の歌声に合わせて、席に座ったままだが、狂喜して、一緒に歌いながら、身体を左右に大きく動かし、手にはペナントのようなものを持ち、それも破れんばかりに振る中年女性。
その横には、夫なのか、初老の男性が微笑みながら覗き込んでいる・・・。

ただこれだけの、時間にして数秒のこのシーン、この男性の表情が、なんとも優しい、愛情あふれる暖かい眼で、この中年女性を見ているのだ。
「乗りに乗っているなあ。羅勲児が本当に好きなんだな。こんなに喜んでいる姿を見たのは初めてかな。連れてきて本当によかった」、
と、あたかも言っているように思えてならない。(勝手な想像かもしれないが)
ものすごく地味だが、なんともいえない良い味がでている。ほんのりさせられる。
このようなシーンをものにしたカメラマンの仕事人ぶりも、何度観ても飽きない、新たな発見に満ちた、「ナフナのアリス」公演、の要因の一つかもしれない。

(参考直訳)
・・・・・
見苦しく生きても一生 美しく生きても一生
心を宥めてであれ 薄ら嗤ってであれ 生きていく
風には従い 雲には寄り添い 流れくる男
雲がとどまる 故郷の地で 君とともに暮らしていく
憎しみが 愛情に変わるだろう 傷心をなぐさめて
つましく生きていく
当ても無く 流れくる道 心の傷が疼くとき
雲がとどまる 親しんだこの地で 仲むつまじく生きていく
・・・・・
(2015年10月26日:美辞麗句)

≪テレビバージョン≫
なんといっても羅勲児が元気いっぱい。ステップを踏みながら踊りながら歌っている。

バックボーカルもそれに合わせて踊っている。楽団も元気あふれた演奏。

この曲より頭上に羅勲児の大垂れ幕が1枚ずつ現れる。
曲の初出時の写真か。「고향역(故郷の駅)」まで1枚ずつ増えていく。

(2015年9月26日:美辞麗句)
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