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가라지(行けばいい)

 作詞:秋世鎬 / 作曲:秋世鎬

≪市販DVDバージョン≫
 重厚な音色のコントラバスのソロで幕が開き、弦楽器陣が、後を追うように、和音を重ねて進むこの曲、
2001年発売の3枚組CD나훈아 빅히트40곡、に収録されている1曲である。
CDとの編曲面での違いは、ソロのコントラバスを全編で活躍させていることにつきる。
エンディングも、CD版ではあっさりとした印象だったのが、ひときわ、劇的なバス奏者のソロで締めており、ひと工夫もふた工夫も見られる。
知る限りではライブでの始めての歌唱、演奏と思われる。
例によってテロップが出ないので、この女性奏者がMBC楽団の一員なのか、ゲスト奏者なのかは分からないが、ソロ奏者として大事な資質である、観客に訴えかける迫力 (身振り手振りなどの見た目はもちろんのこと、観客の感性に一直線に届く演奏の質) が顕著である。

3曲続いた、ソロ女性奏者の最後を飾っているのも、大いに納得である。

前に、このコンサートライブにおける、実況カメラワーク は多彩だ、と書いたが、この曲でもそれがうかがえる。
最初の部分だが、カメラが、MBC楽団の弦楽器陣(ヴァイオリンやチェロ)の様子を、観客側からではなく、舞台後方から、それも移動しながら、撮っているのだ。
これにより、弦楽器陣の演奏の様子も、指揮者の気合いの入りようも、手に取るようによく分かる。
テレビ画面で観ていても、より大きな臨場感を味わえるのは、このカメラワークも一役を買っているのは間違いない。
舞台上にもカメラマンがいるが、クレーンにでも乗って、撮影しているカメラマンがいるのか、リモコン操作のカメラをあらかじめセットしているのか、画面からは判別できないが、よく考えている。
舞台の縦、横、高さが、かなりあるので何でもできるが、費用は相当かかったはずだ。

さて、曲そのものについてだが、
前々曲の、「님 그리워」、前曲の、「잊을 수가 있을까」、と同様に、「悲恋」、がテーマの曲で、羅勲児が、感情を込めて語りかけるように歌い上げている。

絶え間なく続く低音のコントラバスの伴奏も、重々しい曲調によくマッチしている。
そして、重々しければ重々しいほど、次曲、「고향역」、への、受け渡しが効果的にできるわけだ。
「暗」、から、「明」へと移る、対照の妙と言える。
この曲想の変化で、内に向いていた気持ちが、外に向けて、勢いよく、弾けてしまうのだ。
事実、この後、会場全体が、興奮のるつぼとなり、狂喜乱舞(気持ち的に)することになる、このライブコンサートにおける、前半最大の山場、全員集合の、「고향역」への、旅立ちとなっていく。

(参考直訳)
・・・・・
別れるという 貴方を 誰が 止めるすべを知っているというの
別れるという 貴方を 誰が 引きとめるすべを知っているというの
このように私を 泣かせておいて 足どりも ずいぶん 軽やかのようね
このように私を 見捨てておいて ずいぶん 穏やかにいられるのね
貴方も 苦しくて 私も 辛いことを どうして どうして 分からないの
貴方がいなくなれば 私がひとりぼっちになるということを
貴方は 貴方は 十分に 分かっているじゃないの
別れるという 貴方を 誰が 止めるすべを知っているというの
別れるという 貴方を 誰が 引きとめるすべを知っているというの
・・・・・
(2015年12月2日:美辞麗句)

≪テレビバージョン≫
エレクトリックコントラバス奏者がゲストでやはりイントロの演奏から始まる。
気合の入った弓さばきを披露。羅勲児もそれに答えたかのような歌い方。

舞台の左側の大画面では映画の1シーンのような場面がムードを盛り上げる。

エンディングはやはりコントラバスの劇的な余韻を残す演奏で終わる。

羅勲児の満足そうな表情がうかがえる。

次曲の「고향역」への導入としては最高の演出。

(2015年9月26日:美辞麗句)
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