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아담과 이브처럼  (アダムとイブのように)

 作詞:羅勲児 / 作曲:羅勲児

第2部オープニング曲のイントロ部分の演奏が始まるが、楽団の演奏からだけでは何の曲かはまったく分らない。
(画面の字幕には曲名が紹介されていて実際には分るが) 雰囲気的には何か危機を予見させるようなイメージだろうか。
照明が落とされた舞台上方には、5名の天使姿の女性ダンサーが映し出され、その下には盛り上がったステージがあり、羅勲児が腕を組み、斜めに構えて立っている。
舞台には稲妻のような演出もあり、一段と不気味さが増している。
すると、アクロバット的な男性ダンサー4名が、舞台上に張られたロープのようなものから抜け出ようと悪戦苦闘しているようなイメージのダンスを繰り返している。
同時に羅勲児の両手に大きな翼が添えられるような、CG(コンピュータで描写した画像)画面の演出もある。
そして、楽団の演奏が最高潮に達する直前に、天使姿の女性ダンサーが地上に降り、そこで別の男女ダンサー数十名が舞台の左右から現われ、ようやく曲が始まるという趣向だ。
(天使姿のダンサーの演出は、「小鹿島の春」公演でも、見られた)

舞台は一転明るくなり、後方大型スクリーンには、原生林のような中にキリンや虎などが映し出され、次にはマンモスや一風変わった動物(原始の小動物や鳥など)も出現する。
曲の中間部分になると、ラップ歌手(メロディを崩してアドリブ風に歌う歌手)が現われて、歌い始める。
この間、羅勲児は天使姿のダンサーと空中で戯れている(この場面はライブではなく録画映像と思われる)。
ラップ歌手が終わると、後半部の曲が始まり、そしてエンディング前には羅勲児とラップ歌手の共演で締めくくる、という流れだ。

全体を見て印象に残るのは、数十名の男女ダンサーだ。
足は素足、服装は質素で、モダンバレエの様相を示している。(トゥシューズや華やかな衣装のクラシックバレエとは好対照だ)
アダムとイブの出会いなどを集団で描写しているのか、複雑な動きが興味深い。
曲のバックで集団でモダンバレエを演じるのを観るのは初めてで、羅勲児公演ならではのユニークな演出と言えそうだ。

さて、曲についてだが、2001年の韓国ドラマ、「우리가남인가요」(私達は他人ですか)での挿入歌で、「배종옥」(ペジョンオク)とのデュエット編と羅勲児のソロ編がある。
バラード調のスローなデュエット編と、ラップを交えたアップテンポのソロ編は、対照的で、多分、好みは分かれるだろうと思う。
個人的にはデュエット編がこの曲の良さをより現している気がする。
一番印象に残る演奏は、「歌客」公演でのものだ。気心の知れた人同士のようなリラックスした歌声が特に印象に残った。
さらに、「アリス」公演でも、ゲスト、「김선아」(キムソナ)が、舞台裏に去る直前に、曲の導入部分を軽く歌った場面も、非常に効果的で素晴らしかった。

今回は、ラップ編の演奏となったが、以前の「コスモス」公演でも触れたけれど、やはり、ラップ部分が合わなくて、曲に対して、不協和音(音の調和が不自然)の状態に陥っている。
ラップ歌手の力量というよりは、この曲そのものにラップが合わないのだろう
この曲が作られた当時は、ラップ音楽全盛で、特に若者に人気を博していた。ラップを導入したのはその影響もあるのだろうけど、シンプルにラップなしで、ソロ編を作って欲しかった。

ちなみに、韓国でのラップが含まれる最大のヒット曲は、1998年の、「엄정화」(オムジョンファ)の、「초대」(招待)だろう。
シンプルだが印象深いメロディを持つ曲で、その中間部分に登場する2人のラップ歌手のテクニックは見事の一言だ。曲を十分盛上げて終わっている。
単に、ラップは曲を選ぶという事だと思う。
(2021.02.20 美辞麗句)

(歌詞の参考直訳)は こちら「コスモス咲く夕べ」公演をご参照ください
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