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歌客 羅勲児公演

「歌客 羅勲児」コンサートを一文で言い表すとすれば、「たとえば秋の夜長にでも観るに、もっともふさわしい、格調高く、しかもバラエティに富み、かつ、構成の素晴らしさにより、イントロからエンディングまでの110分間、流れるように進行する、この時点での、羅勲児による最高のコンサート」
となるだろう。

まず、「格調の高さ」から考えてみたい。
全編を通して常に映し出される、ゲストの白いドレスの女性バイオリン奏者が象徴しているように、楽団の構成がクラシックよりになっているのが最大の要因だろう。(この女性ゲストバイオリニストは、その実力のほんの一部だろうけど、ある曲のイントロ部分でさりげなく見せている)。
バイオリン奏者と管楽器奏者が目立つ構成となっている。
なぜかとなると、それは、「サラ・ブライトマンとアンドレア・ボッチェリ」のオペラ歌手による、当時、世界中を感動で埋め尽くし、魅了した大ヒット曲「Time to Say Goodbye」をコンサート曲目に含めたからだ。

そして次は「バラエティの豊富さ」だ。
最前半部分は、羅勲児でお馴染みの、故郷(ふるさと)についての曲の数々で構成される。
比較的年配の、昔からのファンに考慮した、ゆっくりとしたバラード調の曲が多い。
その後続く、羅勲児自身作詞作曲のコーナーでは、会場の雰囲気をがらりと変えるアップテンポの曲の数々で、ロックも聴くであろう比較的新しいファンをも楽しませている。
後半部分最初では、男女バックコーラス陣を加えての、ハミングやコーラスをふんだんに取り入れての、歌声のみの演奏など、フォークソングのような素朴な味わいになっている。
そして後半部分の中盤にあたるところでは、オペラ歌手による過去最大のヒット曲、「Time to Say Goodbye」での迫力の歌声で、会場ファンの度肝を抜いている。
また、最後半からエンディングには、羅勲児十八番の盛り上がり必須の曲の数々を用意して、観客を楽しませている。
特筆ものは韓国時代劇を観ているかのような色とりどりの豪華な衣装の踊り手や演技者達の登場だ。一糸乱れぬパフォーマンスで圧倒される。
音楽のジャンルでいえば、民謡、演歌、ポップス、ロック、フォーク、さらにクラシックと、これ以上はないほどの多様さだ。

最後は、「構成の妙味」についてだ。
随所に、曲調(明るい、暗い、楽しい、悲しい、寂しい、など)において、同じもので、かたよらない、連続しすぎない工夫がほどこされている。
また曲の速さも考慮していて、スローな曲のあとには、アップテンポの歯切れのよい曲にするなど、細かい配慮がなされている。
1曲の中でも、スローではじまり、後に、ミディアムやアップテンポに移行する、あるいは、楽器の伴奏なしで歌唱のみ始まり、後に、演奏がさりげなく加わる、などの、効果的な編曲(アレンジ)が随所にみられる。
この「歌客 羅勲児」コンサートは、音声CDも発売されたが、音声のみ聴いても、非の打ち所がなく、文句なく楽しめる。

余談だが、地元でよく利用する、大阪市立中央図書館にも、高い評価のためか、このCDが資料として貸出可能なのを発見して、大いに納得したしだいである。
(2019.09.15 美辞麗句)

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