蒸気機関車の放つ、黒煙と、汽笛の音で始まる、この曲、「녹슬은 기찻길」(錆びついた汽車路)、ここで、ふたたび、「歌謡オンステージ」の一連の流れに合った曲調の曲が挿入された格好だ。
前曲、「라구요」の特異な存在が、より、際立った印象になっている。
同時に、この曲も、始まったときは、少々、妙に浮いた存在になっている。でも、それは、曲の始まる部分だけで、すぐに、羅勲児節、羅勲児ワールド、の独壇場となっている。
曲の種類で考えると、前曲は、「フォークバラード」で、この曲は、「歌謡バラード」になる。
曲調がまるで異なるので、違った歌い方が必要だが、羅勲児は、いとも簡単に、見事に歌い分けている。「稀有の歌手」としか、言いようがない。
ただ、歌う表情は重いままだ。「北と南に分断されたままの韓国」の、人々の実情にスポットを当てた2曲と言える。
(参考直訳)
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休戦ライン 月の光の下 錆びついた汽車路
何ゆえに 血の色の話しのみするのか 伝えておくれ 伝えておくれ
故郷をなくした 悲しみを 錆びついた汽車路 母の情 恋しくなる この気持ち
大同江 漢江の川水は 黄海に流れる
南と北で 意見を 取り交わすのだが 伝えておくれ 伝えておくれ
故郷をなくした 悲しみを 錆びついた汽車路 あなたのように 私も 泣いているのだよ
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(2019.10.8 美辞麗句)