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Time to Say Goodbye (別れを告げる時)

 作詞:ルーチョ・クアラントット / 作曲:フランチェスコ・サルトーリ

客席側の照明が落とされ、ステージでは、羅勲児が、楽団に向けて合図。
それに呼応して、ストリング(弦楽器)を中心とした、楽団の演奏が始まる。
次に、羅勲児は舞台左側に合図、今度は、4名の女性バックボーカル達が現われ、羅勲児に向かって、曲の最初のメロディ部分を、話しかけるように歌い始める。
それに答えるように、羅勲児も歌い始める。

曲が進むに連れて、羅勲児は4名のバックコーラス陣に向かって、歌いながら、1人、また1人と、背中に手を添えて、立ち向きを、横向きから、前、さらに、横、前と、小刻みに、移動させていく。
細かい振り付け、繊細で効果的な演出が、ここにも見られる。

曲が中盤に進むと、舞台中央の上部階段から、数十名の合唱隊と、4名の男性バックボーカル陣が現われ、曲に加わる。
最初から、これらの合唱隊達が舞台に居なかったのに注目したい。
途中から加わることで、舞台上の動きによる変化と、歌声の重みが強調される。

曲の最後の部分では、4名の男性バックボーカル陣が、舞台の上に降りてくるが、同様の動きの変化で、舞台上の動きの多様さで、観客の興味や好奇心を引き出している。

羅勲児の歌唱にも注目したい。
声量の豊かさは、言うまでもなく、すごいのひと言だが、特に、高い音を伸ばすときには、クラシック的発声法が見られて、生での迫力は、相当だったと思われる。
「声楽家、羅勲児」の一面を、さりげなく自然に見せた形だ。
羅勲児コンサートにおける、おそらく初めての、本格的なクラシック楽曲が披露されたわけだが、曲後の、観客の拍手などの反応ぶりを、見てみると、大成功だろう。
バックボーカル陣による、短い、「羅勲児を称えるコーラス」も、良いメロディで、余韻が後を引く。

さて、元曲だが、1996年、クラシックCDレコード史上、最大の売上を記録した、「Time to Say Goodby」(別れを告げる時)、盲目の男性クラシック歌手、Andrea Bocelli(アンドレ ボッチェリ)と、女性クラシック歌手、Sarah Brightman(サラ ブライトマン)のデュエットによるこの曲、後世に残るであろう、名曲中の名曲で、今聴いても、深い感動を覚える。
全体的に、荘厳なイメージの曲調で、最初は、ささやくような、話しかけるようなメロディが続き、「time to say goodbye」 という歌詞のところから、徐々に高い音階が現われ、二度目の「time to say goodbye」の歌詞で、1コーラス目が終わる。
ここまでが序章で、2コーラス目の、「time to say goodbye」の歌詞からは、楽団の演奏も、重々しいマーチ風になり、高い音階のメロディが続く。
このあたりから、合唱隊も加わり、劇的さが最高潮に達し、最後の「Io con te」(あなたと共に)では、もっとも高い音程で、一気に終了となり 強い感動と余韻が残る。

(参考直訳)
・・・・・
ひとりでいるとき 地平線のかなたを夢見る そして 言葉に詰まる
そう 私は分っている 太陽がないこの部屋には 明かりがないことを
あなたが私と一緒に居なければ 私と
窓ガラスの上に 皆に向かって 私の心を映して見せておくれ
心の奥底に あなたが灯をつけた心を
街で見かけた金飾りレースのような

別れを告げる時 あなたと共に 観たり 分かち合ったりができなかった国々
これからは それらの中に生きる あなたと共に行く 船で海を
でも私は分っている もはや何も存在しないことを 別れを告げる時

あなたが遠く離れている時 地平線のかなたを夢見る そして 言葉に詰まる
そう 私は分っている あなたが私と一緒に居ることを
あなたは私の月 私の太陽 私と一緒に居ることを 一緒に居ることを

別れを告げる時 あなたと共に 観たり 分かち合ったりができなかった国々
これからは それらの中に生きる あなたと共に行く 船で海を
でも私は分っている もはや何も存在しないことを
私はこれからもう一度生きてみる あなたと共に行く 船で海を
でも私は分っている もはや何も存在しないことを
私はこれからもう一度生きてみる あなたと共に行く あなたと共に
・・・・・

(2019.10.23 美辞麗句)

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