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최진사댁 셋째딸  (崔進士宅の三番娘)

 作詞:全又中  作曲:外国歌謡(編曲:朴椿石)

当公演の中で、異彩を放っている当曲。
曲が始まる前の羅勲児の説明で、
「昔々の韓国の曲にはよい曲がある」と述べているがその通りだ。さらに練り練ったであろう編曲と振付が素晴らしい。
演奏は楽団を使わずに主に民俗楽器を使用していて独特の雰囲気を醸し出している。
あらかじめ伴奏部分を録音してそれを流している。舞台後では指揮者が椅子に腰掛けて休憩かつ見物の様子だ。
舞台上を見るとダンサー3人が座り込んで待機している。
スローなシンセサイザーのイントロが流れ出しダンサー達の踊りも始まる。
伎楽面をつけてなおかつ両手にも伎楽面を持って観客側に向けている。
ひとりで顔が3つの状態だ。不気味な印象だ。
羅勲児が歌い始めるが、身振り手振りそして顔の表情まですべてがこれ以上ないぐらいに豊かだ。
2コーラス目の終わりに、驚きの場面が現われる。突然、羅勲児が笑い出すのだ。「は、は、は」と。そして後向けに舞台上に寝入る。
注目は羅勲児の笑いの最後の「は」の音程とこのシンセサイザーの音程がぴったし合っていることだ。笑い声で正確に音程を刻むのを初めて見た。

ここで急にバックの音楽のボリュームが上がり、2重3重のシンセサイザーの音が響き渡る。
さらに舞台下でも新たに数人のダンサーが現われ曲に合わせてからだを上下に動かしている。
速くなった曲のリズムの中で、舞台上では3人か十数人に増えたダンサー達が激しくからだを上下させている。ここでおもむろに羅勲児が起き上がりながら歌いだす。
ダンサー達もこれに合わせ舞台上を前後左右に移動しながら踊る。
すると羅勲児が歌いながら横を向くと女性ダンサーが現われる。
赤が基調の鮮やかな宮廷女のような衣装で身を包み顔を袖で隠している。
そして羅勲児の横で顔をうつ伏して座り込む。
羅勲児が手を差し伸べると起き上がり隠していた顔を見せる。
頬に丸い赤のシールを付けていてユーモラスな印象だ。そしてくるくるとからだを回転させながら羅勲児の前を移動しそしてエンディングとなり羅勲児の肩に身を寄せる。
ここでのバックのダンサー達の踊りも面白い。ずっこけて舞台上に伏せてしまっている。

曲の詞の内容に合わせて踊りの振付をしたのだろうけど、最初から終わりまでバラエティに富んでいて楽しませてくれる。
羅勲児が中心になってやったのは間違いないだろうけど、非凡な舞台構成と演出が光る。見事の一言だ。

(参考直訳)
・・・・・
向かいの村 崔進士の家には 三人の娘がいるが その中でも三番目の娘が 一番可愛かったので ああ その主人 非常に恐ろしいという噂があり 墨鉄のように暗く あるときは 夜牛のような顔 あるときは見なかったか
それで私が 崔進士に会ってみて すばやくひれ伏し お辞儀をして 下の村に住む 七福というものだと お話しをいたすと
恥ずかしながら 崔進士家の娘に 恋をしていて 婿候補ではないが このからだ どうすればと 催促してみようと

翌朝 勇気を出して 飛んで行った 墨鉄のようなやつが 涙を流し泣きながら のっそりのっそりと 這いながら 朝早めに 崔進士家の門を 何度も叩き 話を切り出す前に 尻を叩かれたと 文句をいう
しかしながら 崔進士家の大門を 広く開けようと 非常に急いで 中に入り 近頃 まれに見る 婿候補だと お話しをいたすと 広い間で膝まずき 頭を下げると 崔進士は 大きく高らかに笑い 結構だと

笑い声に驚き 仰天し 見上げると 崔進士 主人 見えなくて 見物人 使用人だけだった
ああ これは間違いだったとして 立ち上がる と 何だ 崔進士の三番目の娘が 軽やかに歩み寄って来て お辞儀をしたよ
よいやよいや いいぞの歌声に これをもっけの幸いで 天下の非常に恐ろしい人 崔進士 そう 燃え尽き 可愛い年頃の娘をもらうので 墨鉄のようなやつも 夜牛のようなやつも 私を見て 七匹の犬 平伏す中 一匹が からかい 動き回るのだよ
・・・・・

(2020.06.20 美辞麗句)

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