会場の大型スクリーンには、夕闇せまる大空に、羅勲児と4人の天使姿の女性が空中に飛んでいる様子が映し出される。
CG(コンピュータグラフィックス)を使った画面だ。そして小鹿島が見えてきて、その方向に向かって飛んでいく。
ステージ上では、10数名の天使姿の女性がポーズを作っている。そのうち数名は空中に浮かんでいて、その背中には羽根がある。
すると、舞台中央、2メートル四方の部分が上昇していく。スモークがかけられていて、最初は分りにくいが、羅勲児が上に乗っていて、どんどん天井に向かって上昇していく。
伸ばした右腕を上に向けて、何かに触ろうとしているように見える。天井に近づいたところで、上昇が止まり、羅勲児の手がヒモのような何かをつかみ引っ張る。
すると、天井やステージの照明が点火される。そして、大きく両腕を左右に広げた羅勲児が満面の笑顔で下降してくる。
( かなり高いところまで上昇していて、上昇台には手すりもないのに怖くないのだろうか。見ているだけで恐ろしい )
ステージ上に着くと、上昇台から降り、1歩前に進み、礼をする。
ここで、ものすごく長いアルペンホルンを持った奏者が、鳥の声を演奏する。
ここで、ハープ、ギターなどの前奏が入り、オープニング曲、「Oh Danny Boy」が始まる。
静かな静かなコンサートの始まり方だ。
1フレーズ、1フレーズを噛みしめるような羅勲児の歌い方が印象的だ。何やら感慨深げだ。
音のもっとも高い所では、声をふりしぼって歌っている。通常は裏声で歌うところで、地声で歌うのには驚かされる。羅勲児の音域の広さの新たな証明だ。
中間部の間奏では、いったん地上に降りていた4名の天使が再度上昇し、空中からティンカーベルのように魔法の粉を振りかける。細かい演出に驚かされる。
曲が終わる頃になると、再度、下降してくる。
振り返って考えると、CG画面での天使は4名、そして舞台の空中に浮かぶ天使も4名、正確に数を合わせている。比較的、狭いステージなので、2人の空中に浮かぶ天使でもよかっただろうけど、4名にしている。繊細な演出ぶりに感心するしかない。
羅勲児は、余韻を含んだ歌い方でオープニング曲を終えている。
(2019.12.13 美辞麗句)