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고향의 봄 +모란동백  (古里の春+牡丹 椿)

 (古里の春) 作詞:李元壽/ 作曲:洪蘭坡
  (牡丹 椿)  作詞:李祭夏/ 作曲:李祭夏

舞台上では、女性スタッフが、羅勲児の黒地の厚手コートを脱ぐのを手伝っていて、コートの下には真っ白の上着が現われる。
当公演オープニング曲の時点ではマフラーもしていたので(前曲の始まる際に投げ捨てていた)、かなりの厚着になっていたようだ。
女性スタッフが去ると、今度は、小さい女の子(小学校低学年か、ひょっとして幼稚園児か)がマイクを持って現われ、羅勲児の横でスタンバイする。
それを見つめる羅勲児の優しい微笑みが印象的だ。

舞台後方、横の大型スクリーンには、青々とした山里の村の風景が現われる。
すると、弦楽器とピアノ中心の静かな楽団のイントロが始まり、少さい女の子が、「고향의 봄」(古里の春)を歌い始める。
しっかりとした歌い方で声量も十分だ。音程も確かで緊張した様子もなく、曲の8小節を歌い終えると、今度は、羅勲児の番のようだ。
舞台も一転暗くなり、「모란 동백」(牡丹 椿)が始まる。
1コーラス(牡丹の話)で終わるが、この間の、小さい女の子の、両腕を少し、横に広げたまま、左右に体を動かす振付が、すごく可愛くて、微笑ましい。
羅勲児の歌声も、小さい子に語りかけるように、あくまでも優しい。
すると、今度は、舞台左右から4名ずつ、マイクを持った、別の小さな子達が現われる。
これで羅勲児を含めて、10名が舞台上に横に並ぶことになる。
そして、子供達の、「고향의 봄」(古里の春)が、再度始まる。
残りの8小節を歌うのだが、最初の小さい女の子と同様に、声量、音程ともに、素晴らしく、また、表情も明るくて、何か心が洗われるようだ。
そして、再度、羅勲児の、「모란 동백」(牡丹 椿)の2コーラス目(椿)が、始まる。

どうやら、各々の曲の詞に合わせて、2曲の間で行き来する構成のようだ。
(「고향의 봄」(古里の春)では、春に花々が咲き誇る様子、そして、「모란 동백」(牡丹 椿)では、その花々も、時期が過ぎると散ってしうまう花々の寂しく不安な気持ちを表現している)

ここでも、舞台上の子供達の振付が光る。両腕を少し広げての、左右に体を動かす、しぐさを見ていると、温かく、ほのぼのとした気持ちになる。
そして、羅勲児の歌もエンディングに移るのだが、羅勲児らしい細やかな演出が見られる。
曲の最後の詞、「나를 잊지 말아줘요」(私を忘れないで)の部分を、計3度繰り返して歌い、この部分を、明らかに強調しているのだ。
そして、それに続き、子供達が、あたかも羅勲児の、問いかけに答えるかのように、「고향의 봄」(古里の春)の最後の詞、「그립습니다」(懐かしいです)の部分を、もう一度歌って締めくくるという趣向だ。
もちろん、曲の詞は牡丹や椿を表現しているのだけど、これを、世を去り行く人の、残された人へのメッセージと、取れなくもない。というか、個人的には、そうとしか取れないと思っている。

素朴な、故郷の童謡の2曲を、演出構成の妙で、こうも印象深く、忘れられない一場面にするのは、簡単な事ではない。
これぞ、羅勲児の公演の真骨頂のひとつだ。
ずば抜けた歌唱力だけで満足せず、曲や詞を作り、さらに、企画構成演出まで手を広げ、そして結果を残す。
これほどの才能の人は、今後も、2度と現われないのではないか。

さて、曲が終わると、子供達が羅勲児の側に駆け寄り、抱きつく。それを受ける羅勲児の満面の笑みには、何とも言いようのない充足感があふれている。
コンサートは続く。

(「고향의 봄」(参考直訳)
・・・・・
私が暮らしていた古里は花々が咲く山里 桃の花 杏の花 小紫ツツジ
色とりどりの花宮殿のある里村
その中で遊んだ日々が懐かしい

花の里 鳥の里 私の古里 青々とした野原 南方から風が吹けば
川辺のしだれ柳が舞う村
その中で遊んだ日々が懐かしい

色とりどりの花宮殿のある里村 その中で遊んだ日々が懐かしい
・・・・・

(「모란동백」(参考直訳)
・・・・・
牡丹いつのまにか散ってしまい 遠くの山でカッコウが鳴けば
やさしい表情の牡丹お嬢 夢の中で訪ねて来る
地上では風が吹き 非常に疲れてだるい 私 どの辺境に さすらいさまよい
どの木陰に 静かに静かに 永い眠りについても
もう一度 牡丹の花が咲くまで 私を忘れないで

椿いつのまにか散ってしまい 広い野原に雪が降れば
やさしい表情の椿お嬢 夢の中で笑っている
地上では風が吹き 時の流れが速い 私 どの海に さすらいさまよい
どの砂原に 寂しく心細く 永い眠りについても
もう一度 椿の花が咲くまで 私を忘れないで
寂しく心細く 永い眠りについても
もう一度 椿の花が咲くまで 私を忘れないで
・・・・・

(2020.11.10 美辞麗句)

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