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찔레꽃(野ばら)

  作詞:金栄一 / 作曲:金教聲

前曲で、ランニングシャツ姿だった羅勲児は、ここでその上に、チェック柄のシャツを羽織る。
茶緑の落着いた色のシャツだ。
舞台中央には、バーカウンターにあるような、高めの椅子があり、羅勲児が腰掛けている。
羅勲児の左側には、二列に、同様の椅子がセットされていて、前列には、女性バックボーカル4人、後列には、男性バックボーカル4人が、羅勲児の方を向いて、何やら、指示を待っているような視線を送っている。

すると、羅勲児は、バックボーカル陣に向けて、身振りで合図を送る。
ここで曲が始まるのだが、楽団の演奏抜きでの、ボーカルのみの伴奏だ。
マウステクニックを使った、「プン」、や「プッ、プン」という発声で、これが、しっかりとした音程を持っていて、しかも、三重奏にも、四重奏にも発展していくのだ。
複雑な交じり方、にもかかわらず、リズムも正確に刻んでいて、個性的、かつ、秀逸な伴奏になっている。
中間部分と、エンディング部分でも、もう一度、この伴奏は聴けるのだが、中間部では、楽団のバイオリンを中心とした伴奏が加わる関係で、少し聴きずらくなり、また、エンディング部分では、観衆の早すぎた拍手のせいで消されてしまったのが、残念といえば残念だった。
このエンディング部分で、観客は、曲は終わるだろうと思って、何故か、早めに拍手をし始める。
が、実際は、まだ終わってなくて、もう一節、繰り返しで終わるのだったのだ。

この時の、羅勲児の表情が興味深い。
苦笑とも動揺とも取れる。シャツの袖で、汗をぬぐったりしているのを見ると、少し、動揺のほうが強いかもしれない。
観客の早めの拍手は、往々にして、「退屈だったが、やっと終わった」とか、「あんまり聴いてなかったけど、終わりだから、さあ拍手、拍手」を意味するからだ。
でも、今回は、偶然、もしくは、単に終わったと思った、のだろう。
「無邪気なハプニング」と、捉えたほうが正解のような気がする。
(2019.10.16 美辞麗句)

歌詞参考直訳は「コスモス咲く夕べ」公演をご参照ください
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