利川

第五日目(9月15日 日曜日)

読み易い行間が選べます(IE4以降)

 朝から利川に向かう。「宋サン圭」という80歳を越えた翁を訪ねる為である。社の山崎氏が親しくなった韓国人であるが、日本語で自叙伝を自費出版している。途中まで行くと自家用車で出迎えに来られている。運転は若い人がしているが。山崎氏と姜在彦先生だけが挨拶にバスから降りられた。翁が着ているのは正装の韓服だとガイドの文さんが言った。翁の乗った車の先導で着いた所は新屯面の「養志園農場」。来る道に有った標識のハングル文字を「ようちえん」のことだと読み取ったのがあった。大きな幼稚園の標識だなあと思ったのは「養志園」だったのか!
 農場の入り口から松林が続き、普段はバスが入る道ではないだろう、両脇の木の枝がバスに当たりながら進む。広い敷地には立派な建物は無く、プレハブか、巨大テントのようなものがいくつかある。私財を投げて、ここでいろんな活動をしているらしい。一枚の名詞の肩書きは「(株)YG-1・養志園農場・安重根研究所(会長)」。他にも色々有る筈。
 「安重根」については複雑だから省こう。要するにこの翁については良くわからないまま帰ってきたが、お土産に全員が小ぶりの青磁壷(裏側)と翁の自叙伝を貰った。韓国語訛りの日本語ではあるが、家でパラパラと拾い読みから始めたが、結構面白い。翁の人生は波乱万丈を遥かに飛び越えて、自叙伝一冊を読まない人に説明出来ない。これほどの天才が現実に存在するとは驚きだ。
 利川に来たのだから、と「韓国陶窯」に立ち寄った。登り窯を見学させてもらった。焚き口には、火入れの時の祭事に供えた豚の頭がのっている。餡をまぶしたお餅も供えて、お餅は見学者にもふるまわれた。焼き物に興味を持たない私達夫婦であるが、いたく実用的な物を見つけた。熱いお茶を飲みたいのに、熱い湯飲みが持てなくて困っていた主人にうってつけの湯飲みだ。二重構造になっている。模様の穴から入った水は底に穴が有って流れ出るようになっている。二つセットであるが、手の皮が厚く猫舌の私には全く不要な物で、二つとも主人用ということになる。「買おうか?」と二人顔を見合わせたら、6万ウォンがすぐ5万ウォンになった。
 昼食は前から一度、専門の店で食べたいと思っていた「蔘鶏湯(サンゲタン)」。ソウル鐘路区の 「土俗村(トソクチョン)」という店で、余程流行っているらしく、建て増しに建て増しをした店には客がごった返している。年末忘年会シーズンの人気店といった感じ。お客は観光客よりも韓国の人が圧倒的に多い。これまでは、メニューにのっていても「ありません」だったり、予約がいるとかで、本格的な蔘鶏湯を食べたのは初めてだから、どうとも言えないが、美味しかった。
「韓国の文化と食を訪ねる旅」はこれまでの4回と次回(日時未定・京畿道)をもって、第一弾を終わることになるそうだ。このシリーズで来る韓国と羅勲児のショーの為に来る韓国とは全く違った旅の仕方であるが、違った楽しさと、同じ楽しさが有るから不思議だ。又来たい韓国、又行きたい韓国、である。

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