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고향역(故郷の駅)

 作詞:林鍾壽 / 作曲:林鍾壽

前曲が終わる頃には、舞台装置の3艘の船も、するすると舞台裏に消え、大型スクリーンの荒海の様子が残るのみだったが、それもいつの間にか、フェードアウトしている。
すると、画面には、楽団が映し出され、お馴染みの汽笛の音、そして、管楽器を中心とした演奏が始まる。

楽団の中にはマスク姿の奏者も見える。普通だとありえない光景だけど、現実はこうなんだと、再認識してしまう。どうやら、楽団演奏はリモート(KBSホール内のリハーサル室からか)で行うようだ。
舞台出演者と楽団演奏との一体感は目には見えにくくなったが、仕方がない。

舞台周辺では、前曲から一転して、早朝だろうか夕焼けだろうか、全面に鮮やかな緑の風景、コスモス等の花々も咲き乱れ、その中を列車が走り去る。
客席側を被う大量のコスモスは実にリアルで立体的に見える。走り去る列車と共に画面合成しているようだ。

舞台上では、実物大の列車が現われ、羅勲児の歌が始まるやいなや停車し、そこからは、数十名の男女バックボーカル陣が、次々と下車して舞台の左右に広がっていく。
曲のサビから、羅勲児の歌に合わせてバックコーラスが始まる。
いつもながら、ここら辺の舞台進行の緻密な時間合わせ(タイムキーピング)は、見事の一言に尽きる。

公演全編で、この効果的な舞台進行や演出が維持されるのだから、恐れ入って感心するばかりだ。
羅勲児や舞台出演者は勿論のこと、百人単位の関係スタッフ達の並々ならぬ努力の賜物だろう。

さて、ワンコーラスが終わっての曲の中間部で、この公演で初めて、オンラインで参加の視聴者の姿が映し出される。
その大画面には、画面分割された形で、百組超のファン達の様子が現われる。
羅勲児が時折、見上げて歌っているのを見ると、どうやら、2階席の後方に大型スクリーンが設置されているようだ。
これで、視聴者側の様子も、リアルタイムで舞台に伝わるので、出演者側も、少なからずの一体感が味わえて励みになる。

さて、オープニング曲直後にもかかわらず、早くも、羅勲児十八番の曲、「고향역」(故郷の駅)(1972年)が登場した。
ほぼ同時代のヒット曲、「머나먼 고향」(遥かなる故郷)(1971年)、「너와 나의 고향」(あなたと私の故郷)(1969年)と合わせての3曲は、あたかも3部作のように、ほぼ例外なく、今までの公演で演奏されている。
(「小鹿島の春」公演では、「너와 나의 고향」(あなたと私の故郷)が歌われていない。ちなみに、この小鹿島公演では、「청춘을 돌려다오」(青春を返してくれ)も演じられていない。小鹿島の歴史的、特殊な事情を考慮しての(特に歌詞の意味合い)ことと思われる)

これまでの公演での、この3曲の登場順では、トップは、「머나먼 고향」(遥かなる故郷)、そして最後は「고향역」(故郷の駅)になることが多かった。
(「歌客」公演では、いきなりオープニングで、ギター伴奏のみのバラード調で歌われ、びっくりしたものだ)
典型的な例では、「アリス」公演で、比較的、重厚な曲想のオープニング曲が続いた後、この曲、「머나먼 고향」の登場で、目の前の視界が急に広がるような、すっきりとした爽快な気分になったものだ。
それに対して、後者の曲、「고향역」は、苦労の末、最後の最後に、なんとか目的地にたどり着いた時の、高揚感、充実感を覚えたものだ。
どちらも、詞の内容が心に浮かび、そこから、こういう気分になるのかもしれない。
当公演で、「고향역」が先に登場したのは、多分、舞台装置の都合だろう。
オープニング曲での3艘の船、そして当曲での列車車両と大型の装置を続けて使用すれば、後の舞台裏の混雑を避けることができる。

さて、この曲中で、不思議なことが起こる。2人の移動カメラスタッフが、羅勲児とバックコーラスの間をするすると通り過ぎていく。バックコーラス陣を撮影しているようにも見える。
羅勲児もバックコーラス達も、驚いた様子はないので、ハプニングではないようだ。とすれば、サプライズが好きな羅勲児なので、何らかの意図があるはずだけど、と考えたけど、さっぱり思いつかない。

うーん、と考えているうちに、当曲もエンディングに。

「アリス」公演から15年、羅勲児の健在ぶりは、歌いっぷりから見て確かなようだ。
(2020.10.27 美辞麗句)

歌詞の参考直訳はこちらから
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