ほとんど間をおかずに、立て続けに演奏される曲の数々、
時間節約のために、舞台上で着替えを済ます羅勲児、
今回は、紺の薄手の羽織一枚を脱ぐのみなので楽そうだ。
羅勲児の、叫びのようなイントロの出だしで始まる当曲、それに重なるように、女性ボーカルの歌声も入ってくる。
声量も豊かで、技巧も見事な歌声で、どのバック女性ボーカルが歌っているのかと、思わず画面を見入るが、
羅勲児の後方の大型スクリーンには、ひらめく縦長の、のぼり布旗群が映るばかり。
するとその後、羅勲児の左後ろ側に、女性がマイクを持って立っていて、今、歌い終わったような様子に見える。
どうやらこの人が歌ったようだ。
画面に大写しになっても、名前が出ないので、誰だか分らないけど、非凡な歌い手だ。羅勲児は本当に出演者の選択が上手だ。
ここまで10秒あるかないかのイントロで、すでに、今回のこの曲の成功が約束されたも同然の瞬間となっている。
このようなイントロのスキャット(歌詞の無い歌声)の抜群さで、すぐに思い浮かぶのは、1975年に発売、ヒットした、荒井由美(ユーミン)の歌う、「あの日にかえりたい」だ。
元ハイファイセットのボーカル、山本潤子が、透き通るような声で高らかにスキャットを披露している。
後に、ユーミン自身も、「山本潤子さんのあのイントロのスキャットでヒットを確信しました」と述べていて、イントロの大事さがよくわかる例だ。
さて、舞台上には、男女バックボーカル陣も加わっていて、曲が進行していく。
振り付けの演出としては、男女バックボーカル陣と女性ボーカルが、羅勲児に向かって、手の肘を突き出す動作を何度も繰り返すのが、面白くて効果的だ。
羅勲児自身も、途中から舞台上で、中腰で座り込むような体勢を取り、歌詞に合わせてだろうか、扇子で舞台上をたたくようなしぐさで、歌詞の意味を強調しているように見える。
そしてエンディングとなり、曲が終わるが、どうやら、羅勲児はこの後、リモート観客に向かって、何かを語りかけていくようだ。
(2021.03.20 美辞麗句)