羅 勲 児 | VS | 金 重 培 | 二人はどんな人? |
私が選んで作る私 | VS | 私を削って作る私 | |
韓国の本「사람 VS 사람」(本の表紙はこちら) 第十四章 223頁2行目から223頁23行目まで |
しかし、その数ヶ月後にも羅勲児は全く同じ場所で全く同じやり方で違ったテーマのディナーショーを開催した。
羅勲児は20年近く1年に数十回のコンサートをしているが、未だに彼のコンサートに来る観客の70%以上が公演会場に初めてやってきた人達だという。
羅勲児の公演には‘見る価値が有るものが多い’と云う噂の為だ。だから羅勲児がディナーショーをすれば一枚15万ウォン程もするチケットが三日間で全て売り切れるという。
入場料が高くはあるが、羅勲児が最高の舞台を見せて、観客達が入場のお金が惜しいという思いが有るのではなく、むしろ‘私が最高の入場料を払って最高の舞台を見てきた’と云う自慢の種ができるのだ。それはいつだったか、羅勲児が明らかにした、自身の公演に対する目標でもある。
そんな噂のように前に言及したホテルでの二つの公演は内容的にとてもすばらしかったが私は首をかしげるしかなかった。
羅勲児は公演が間近になれば幾日も現場で徹夜して公演の構成から音響・照明・特殊効果まであらゆる演出を自分で引き受けていると有名だ。
そうであるなら、当然に客席から自分の公演がどんな風に見えるか、端に対して視覚的計算も念頭に置かなければならなかったのではあるまいか?
私は羅勲児がその事実を判っても事業的理由の為にこんな呆れた事を放って置いたとは信じない。
それはもしかしたら‘羅勲児式自己決定権’の一つの副作用かもしれない。
自分が目指すイメージに向う自己決定権行使にばかり没頭してみると、その対象(観客)が居るという事実をうっかり忘れてしまっている、とても深刻だけれど呆れたこんな間違いみたいな事。
公演内容に対するどのファンの愛情のこもった指摘も似かよった脈絡の話だろう。