羅 勲 児 | VS | 金 重 培 | 二人はどんな人? |
私が選んで作る私 | VS | 私を削って作る私 | |
韓国の本「사람 VS 사람」(本の表紙はこちら) 第八章 216頁5行目から217頁13行目まで |
完璧な自分決定権を行使する事が出来る自身の公演に対する彼の執着と努力は想像を超えている。二時間にもなる公演を殆ど一人で企画・演出・出演して、とてつもない分量を注ぎ込んで血がにじむほどの練習を経るのだ。
お陰で、彼の公演スタッフ達は毎回ヘトヘトになると訴える。
彼は公演をするたび毎に戦いをする気持ちだと言う。
彼は、汗を流さずに歌う歌手は皆、本当に歌を歌っていない、と云う哲学を持っている。単純に喉だけで歌うのでは無く、全身を使って声を出しきってみれば、おのずから汗に濡れるのだ、というのだ。
羅勲児の公演観は彼の性格のように熱気を帯びている。
“次の公演の為に惜しんで取って置かない。全て注ぎ込むのだ。高いお金を出して公演を見に来た観客に最高の舞台を見せなければならない。”
日本の大衆文化に一見識がある映画監督イ・キュヒョン氏は、我が国大衆音楽公演文化を活性化しようと思えば30〜40代の人に‘このお金を出しても惜しくない’という気持ちを持たせて観客層を作る事が最大の急務であって、その解答は‘完璧な準備’だという。彼の話を聞いてみよう。
“最近、日本の歌手達が韓国公演を誘致する過程で我が国関係者を面食らわせている事は日本人が考える準備期間だ。
巨額のギャランティーを受けるのに‘準備期間が10か月しかなくては出来ない’という状況を見た。私達が普通2〜3か月で準備している「マインド」では理解できない”
羅勲児は、イ・キュヒョン監督が言う‘完璧な準備’をする数少ない大衆芸術家の一人だ。
彼と一緒に仕事をした事が有る人が異口同音にいう言葉がある。
羅勲児は誰よりも交渉が難しい歌手だけれど、一旦舞台に立ったなら彼の表現どおり、死に物狂いで脂汗を流しながら最善を尽くすのだ。
歌手達がよく地方公演先で、‘良くないバンドだから歌が全部めちゃくちゃになった’と不平を言う場合が多いのに、彼は一旦出演を約束したなら、良くないバンドですら彼と呼吸を合わせる事が出来る水準まで練習させて舞台へ立つのだ。
その全てが本物のプロフェッショナル羅勲児の名声価値の為に決まる。